鳳来牛との出会いSTORY4/4

インタビュー4

内藤
最近ねぇ、ちょっと話それるかもしれんけど、俺ねぇ、思い出を作っとるんだなぁと思う。

──
肉で思い出を?

内藤
うん。たとえば、家族でごはん食べるって意外とないじゃん。

──
あぁ、ないですね。

内藤
でしょ? みんなバラバラになってって。
サザエさんみたいな家ってのは、今ほとんどないと思うんだわ。
特に子どもがいるうちで、18時になって、4人家族で手合わせて「いただきます!」なんて・・・。

──
減ってるでしょうね。

最後に「一家団らん」したのは、いつだったかな。

最後に「一家団らん」したのは、いつだったかな。


内藤
うん。だから、食卓を家族が通り過ぎてくの。
16時はおじいちゃん・おばあちゃん。19時には子どもたち。20時過ぎたら、働くお父さんお母さんと。

──
順番に、それぞれの食事をして・・・。

内藤
食卓はあるけど、一つにはならない!

──
みんな揃っていても、それぞれスマホ見ていたりして。

内藤
で、俺んとこの肉っていうのは、ごちそうなんよ。
だから特別な和牛を食べるときは「みんなで今日は集まって食べようよ。」と。
「今日は肉があるから、ちょっとあんたら来いや」とか。

──
特別な食事になります。

内藤
なんで「来いや」とか「集まろうよ」って言うか。
それは、みんなで一つになって幸せな時間作ろうよってこと。・・・極端にいえば、思い出づくりだと俺は思うわけよ。
今では”食”ってそのレベルだと思うの。
実力のある肉は、その思い出に、それこそ匹敵するぐらい・・・
「ほんとにうまかったよなあの肉」
「今日があってよかったよな」
「みんなわざわざ来てくれてありがとうな。でも、それだけの肉だったよな」・・・って思える。
思い出に耐えうる旨さが要るんよ。

──
さすがに和牛は、スマホ見ながら食べないですもんね。

内藤
焼ける肉がジューーーー・・・って。
それが、2、3分もしたら口に運ぶことができるわけよ。もう、よだれが肉汁のごとく出てくるわけ。
そりゃねぇ、肉ってもともと動物の命じゃん。魚にも命あるけど、やっぱ命いただいてるんよね。
だからみんな、その瞬間だけは、つば飲み込んでじーっと塩コショウかけてるのみて。
「あぁ、、、食べてぇ(ため息)」・・・っていう胸中になるのよね。

肉がジューーー・・・

肉がジューーー・・・


──
そうやって、みんなが食べたい気持ちでひとつになって・・・。

内藤
そう。みんなで同じ共感性をもって、まず「食べてぇ」。
そして食べたら「めっちゃうめぇ!」って。

──
だから、「うまい」よりも「食べてぇ」が作りたいという話になるんですね。

内藤
うん。やっぱり家族のこと振り返ると、食卓の時間って出てこん?

──
はい。出てきますね。実家ではよくハンバーグ作ってくれたなぁとか。

内藤
一緒に食べたときに、うまいっつったときにさ。
お母さんが笑ってた、おじいちゃんも元気だった。
そういう記憶と一緒にあるもの。やっぱり食は思い出の場だよ。
・・・でもそれって、年に何回ある?

──
4回? いや1回あれば良い方なのかもしれません。

内藤
だから人生の一つ一つの出来事を、食で「思い出化」したいんだよね。
50歳も過ぎてくると、心のどこかに実は死を予感しとるわけよ。俺はそうだもん。
食卓の時間が有限だって、もう分かるじゃん。
そしたら、食卓でみんなを幸せにしたいって思うよ。
鳳来牛の話からいつも脱線しちゃうだけど、とにかく、鳳来牛に対する想いは全てそこから始まるんだ。

──
たしかに、そう考えると「今年も松阪牛だ!」も良いけれど「またオレたち三河の鳳来牛を食べよう」っていう思い出を1食1食と積み上げる方が、記憶に残りそうです。

内藤
あとは、お客様が働いて得たお金・・・それは価値あるものだよ。そのお金をつかって「買ってよかった」「自分の働いたお金を払うにふさわしい」って、そう思ってもらえるよう、何を肉に添えてあげることができるだろうと。

──
お肉を熟成したりする、付加価値の話でしょうか?

内藤
その前に、俺たちのあり方として第1に「清潔」を徹底してやろうぜって。

精肉は清潔が命

精肉は清潔が命


清潔な店内

ピシッと清潔な店内


──
たしかに内藤精肉店さんの店内は、いわゆる「町のお肉屋さん」という印象ではないですね。
ちょっとレベルの違う清潔感を感じます。

内藤
清潔は安心に繋がるから。
いつも清潔を徹底していれば、大事につくられた肉の価値を損なわないと。
お客様が「自分のお金を払うにふさわしいなと。この味は。この店は。」と、そう思い続けてくれたら、より美味しくならへん?

──
なるほど。お客様からの安心や信頼も、美味しさになると。

内藤
それを家族の幸せを作る場面で用意したよ。この肉だったら、間違いないぞと。
・・・いうようなときに、俺たちが機能できれば嬉しいよね。

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