お肉で人を元気にするブログ

内藤精肉店が、お肉のおいしい情報をお伝えします。

段戸山高原牛とは?

今回のテーマは「段戸山高原牛とは?」です。
段戸山高原牛の生産者さん「たけうち牧場」の公式Webサイトをもとに、当店社長にインタビューしながら内藤精肉店の独自解説でご紹介します。

別の「たけうち牧場」Webサイトからも引用しています。

段戸山高原牛の生産者さんは誰?

生産者さんは、愛知県設楽町「たけうち牧場」の竹内さんです。


父母が戦後入植開拓した標高900mの段戸山麓で、独自で肉牛の肥育を手がける。酒造会社勤務をした後入学した八ヶ岳農業実践大学校卒業後の23歳から始める。
(中略)
息子が後継者として戻った

──
こちらが息子さんですね!

2014年8月、(中略)育った牛を、この空気の中で地元の新鮮な野菜と一緒に味わってもらうという、『農園レストラン&BBQばんじゃーる駒ヶ原』をオープン。
(中略)
『ばんじゃーる 自然塾 駒ケ原』を開催。

──
牛の肥育に加えて、レストランや自然塾も!
竹内さんの行動力が未来を切り開いてきたことがよく分かりますね。
社長から見た竹内さんってどんな方なんですか?

内藤
志の高い人、だね。

竹内さんが仰った一言「一流の田舎を作ろう。」に感銘を受けてさ。
自分達のことだけじゃないんだな、と。
「牛」で地元を活性化させようという姿勢に共感してね。

農家さんの考え方や生き様は品質に繋がっていると信じているから段戸山高原牛を選ぶことにしたんだ。

段戸山高原牛が肥育される牧場はどんな場所?

牧場は、周囲を国有林に囲まれた高原にあります。標高900mにあるため、夏の平均気温は21.5℃で、(中略)暑がりの牛たちもストレスなく快適に過ごすことができる場所です。

内藤
さらっと「牛たちは快適」と書かれているけれど、人にとっては過酷な面があるよ。標高900メートルだもん、寒暖差も激しいわけで。

でもその寒暖差で牛の肉が適度に引き締まるんだよな。

段戸山高原牛の成育環境は?


内藤
牛舎は一頭あたりのスペースが広いんじゃないかな。
たけうち牧場さんには何度も行かせていただいているけど、牛がのびのびしとる。

それに、掃除が行き届いてて清潔。
劣悪な環境ではいい牛、いい肉にはならんからね。
牛にとって申し分ない環境だと思うよ。

段戸山高原牛の飼料は?

駒ヶ原の水は他県から汲みにいらっしゃるくらい美味しいと有名で、その水を牛たちにも与えています。深井戸ボーリングによる地下102mから汲み上げる天然水は、保健所の許可がおりるほど安全です。
飼料には地元醸造会社「関谷醸造」の酒粕を飼料に加え、敷料には地元製材工場のおが粉を使用

──
牛たちは軟水の湧き水を飲み、地元の酒粕入り飼料を食べ、おが粉のベッドで寝て…と気持ちよさそうです。

内藤
飼料は近くの酒蔵の酒粕が加えられているだけじゃないよ。
繊維やら穀物の配合が工夫された独自のものを使っておられる。

牛たちは良い水、いいエサをもらっているから、体から出るもんもひどく臭くならない。
牛舎すぐ近くのレストラン「ばんじゃーる駒ヶ原」さんで食事をいただいていても嫌なニオイがしてこないんだよ。
当然お肉だって臭みが少なくなる。

徹底して牛にいいもの、良い環境を与えておられるんだよね。

味や肉質の特徴は?

肉質のきめが細かく、脂の融点が低く、赤身の味が濃厚といわれているメス牛を長期肥育(25~27ヵ月)した交雑牛です。

──
メス牛はきめが細かくて「赤身がうまい」んですね!

内藤
筋肉質な雄牛にくらべてメス牛の肉はやわらかいと言われるよ。
あの有名な和牛の「松阪牛」もメス牛なんだよ。
さらに段戸山高原牛は、交雑種牛のメス牛を和牛並みに「長期肥育」までされとるからすごい。

──
長期肥育すると、味に影響が出ますか?

内藤
おいしくなるよ。
メス牛で長期肥育された段戸山高原牛は、赤身の旨みがストレートに伝わってくる。
肉々しくて、雑味がなくて、飽きないおいしさだよ。
スイスイ食べられちゃう。
女性にもおすすめだよ。

──
この「赤身の旨み」と「スイスイ食べられる」が、段戸山高原牛の特長ですね!

内藤
そうそう!
加えて、長期肥育するとまろやかさが増して、舌になじむ感じになる。
若いと水っぽかったり、脂と肉の一体感に欠けるんだよね。
味がばらけてる状態。

例え話をすると人間でもさ、経験を積むと人としての「味」が増すじゃん。
牛もね、時間で深みが増すっていうの?
そう、「上質」になる。

──
たしかに。
私もいただきましたが、赤身の、肉本来の旨みがしっかりしつつも、ふわっと脂が広がって、すっきり美味しかったです。

※食べ比べ記事↓
「段戸山高原牛(だんどさんこうげんぎゅう)」を和牛と食べ比べてみました!(サーロイン編)
「段戸山高原牛(だんどさんこうげんぎゅう)」を和牛と食べ比べてみました!(赤身編)


内藤
そうでしょ〜。わかっとるじゃん(笑)。
段戸山高原牛として出荷され条件は、すべてこの「メス牛」+「長期育成」だから。
味も品質も信頼できる。

──
ちなみに質問なのですが・・・。
おいしくなるのであれば、世の中の牛肉を全て「メス牛」+「長期育成」にしちゃえば、どの牛もおいしくなるのでは?
と思ったのですが・・・。

内藤
いや、手間もお金もかかるのよ。
長期育成したら、単純に飼料も場所も多く必要でしょ?
生産者さんからしたら、売れるまでの時間だって多くかかってしまう。
それでも美味しさ、ひいては食べる人の喜びのために、厳しい基準を設けていらっしゃる。

──
それは簡単に真似できませんね・・・。

内藤
だから当店では、大事に販売していきたいと。
そのために今、こうして一生懸命、言葉にしています。笑

──
ふつう内藤社長は「おいしいから。食べたら分かるから」と、多くを言葉にしないスタンスですものね。

内藤
うん。本心では言葉で多くを語ってもなぁ・・・とは思うよ。
だって食べれば、分かるから!

段戸山高原牛と同じ場所で作られた日本酒とは?


内藤
たけうち牧場から20分くらいのところに関谷醸造の「吟醸工房」があるの。
竹内さんはこの吟醸工房で出た酒粕を牛に与えてる。

その吟醸工房に、牛からとれた堆肥で育った地元の名倉米と竹内さんのところでとれる湧き水とでお酒を作ってもらったの。

※こちらのお酒は限定発売のため現在は販売されておりません


内藤
地元で循環・完結する酒を発信しようなんて農家さん、なかなかいないよ。
「一流の田舎を作ろう」っていうビジョンを持てる人でないとそんな酒はできないよね。

──
自然があるからこそ、の2品ですね。

内藤
それでウチでも酒の販売を始めたわけ。
こういうものを発信していくことが「肉屋のつとめ」だと思うんだよね。
竹内さんと同じ、地域密着「一蓮托生」の想いね。

話してたら段戸山高原牛でお酒飲みたくなってきたじゃん。
背景やストーリーと一緒にいただく食事、まさにごちそうだよな。

すっきりとした味わい、肉本来の旨みがおいしい段戸山高原牛


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